トルコに住んでいたころ、自炊するのが億劫なくらい疲れているときなど、ごくたまに、どこの街角にもあるロカンタと呼ばれる大衆食堂で、晩ご飯になりそうなお惣菜をいくつかテイクアウトして帰ることがありました。そんな時には、必ず加えるのが、このターゼ・ファスリエでした。
このトルコ語でファスリエとは、インゲン豆のことです。このインゲン豆を使った料理には、代表的なものとして「ターゼ・ファスリエ」と「クル・ファスリエ」があります。
ターゼ・ファスリエは、フレッシュなインゲン豆、つまり豆がまだとても小さくて鞘に入った状態の、日本ではモロッコインゲンと呼ばれているインゲン豆を使った料理です。
一方、クル・ファスリエというのは、鞘の中で大きく育ったインゲン豆を使って作る料理です。クル(kuru)というのは、ドライ、つまり乾いたという意味で、乾燥インゲン豆のことです。その乾燥インゲン豆のトマト煮込みのことを、クル・ファスリエと呼びます。でも、このレシピは、また別の機会に…。
ターゼ・ファスリエには、空豆がまだとても小さく若い頃に、鞘ごとオリーブオイルを使って炊いた冷菜もあります。このように、ターゼ・ファスリエは、ところ変われば使う材料も変わります。
さてでは、今回は、そのターゼ・ファスリエの代表的なレシピを一つご紹介します。この料理も冷たくしていただくので、砂糖を少し加えます.
ターゼ ファスリエ
材料
モロッコインゲン
トマト
タマネギ
ニンニク
オリーブオイル
砂糖
塩
1)モロッコインゲンの両端を落し、適当な大きさに切ります。
2)トマトの皮を剥きますが、湯向きせずに、直火にかけます。
包丁のアゴの部分で、薄く十字に切れ込みをいれます。
フォークをトマトのヘタに刺し、直接火でクルクルと全体を回し焙ります。
皮が少しめくれてくると火を止めます。
皮が簡単に剥けます。
3)トマトを刻みます。
4)タマネギとニンニクも刻みます。
5)オリーブオイルで、タマネギとニンニクを炒めます。
6)モロッコインゲンも加えて炒めます。
7)モロッコインゲンに火が通ったら、トマトを加えて混ぜます。
砂糖、塩を加え、蓋をして煮込みます。
トマトがフレッシュでない場合には、少しだけ熱湯を加えても大丈夫です。
汁気が少なくなるまで煮込みます。
出来上がり!
レモンを添えて召し上がれ。冷やした白ワインによく合います。