2024年10月7日月曜日

トルコの学校で児童・生徒と楽しく過ごす〜阪神淡路大震災の被災体験を語る〜

私がトルコ滞在中にお世話になった先生の勤めている学校で、児童・生徒に私のトルコ経験や出版した本について話してほしいと頼まれました。

小さな私立学校なので、小学一年生から高校生まで約40人ぐらいが講堂に集まりました。

どうしてトルコに来たのか、トルコで何をしたのか、トルコに来て驚いたことなどを最初に話しました。

次に、どうしてトルコ料理の本を書いたのか話してほしいと言われ、その理由を話す上でまず、子供たちに「どうして、トルコのエリシテ(トルコの伝統的なパスタは、長いものを短く切って乾燥させる)は、スパゲッティや、ラーメン(日本の漫画から知っている児童・学生が多い)のように長くないと思う?」と、聞いてみました。

このように短く切って乾燥させる(友人の手作り)
 トルコの子供たちは、恥ずかしがらずに、どんどん意見を言います。1人の学生が「食べるのが楽だから」と言いました。その通りです。トルコでは、食事にスプーンを使っていたので、わざわざ長いパスタを短く切って乾燥させていました。オスマン帝国時代の絵を見ても、みんなスプーンで食べています。イェニチェリ(オスマン帝国時代の歩兵軍。帝国の軍事行動の中心になって活動した)のビョルク帽の前にはスプーンが刺されていたことなどを説明しました。

オスマン帝国時代には真ん中に置かれたスープやピラフを各人がスプーンで食しました

反対に私への質問で、一番多かったのは、予想通り「トルコ料理で一番好きなのは何ですか?」でした。私は「ヒュンキャール ベーンディ(スルタンのお気に入りという名前。以前からあったトルコ料理にフランス料理の影響が入った一品)と答えました。大好きな料理です。

ナスのペーストにベシャメルソースとチーズを加えたヒュンキャール/ベーンディ
最後に、1995年の阪神大震災の経験を話してほしいと、先生のリクエストがあったので、私の被災経験とトラウマについて話しました。

それまでは、賑やかに質問したり、少し騒がしく話したりしていた彼女、彼らの顔つきが、がらりとかわり一気に真剣に聴き始めました。

今回、地震の被災者の語りとそれを聴くことの大切さをテーマにした講演をするためにイスタンブルに来ました。この学校で私の経験を語ることが、まさに私たちのテーマを実践しているのだと、目の前の子供たちの表情を見て感じました。

学校の給食(インゲン豆の煮込み、ピラフ、ヨーグルト、サラダ)  
 

とても充実した一日でした。お誘いくださり、ありがとうございました。