16年間のトルコ在住時に、一度もトロイ遺跡を訪れる機会がありませんでしたが、今回、やっとその願いが叶いました。往復で6時間以上かかる道のりの1日観光に、友達が連れて行ってくれました。日本では、考えられない持てなしです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%82%B9 |
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%8C%BF |
チャナッカレから南に30kmほど行くと、トロイ遺跡があります。トロイ遺跡はホメロスの叙事詩『イリアス』に登場するトロイア戦争の舞台となった都市です。トロイア王国は長らく神話上の存在だと思われてきましたが、考古学者シュリーマンがトロイ遺跡を発掘したことで、実在した可能性が高いことが示され、1998年には世界遺産に登録されました。
ギリシャ軍がトロイア王国に攻め込んだトロイア戦争の際に作戦のために使われた有名なトロイの木馬 |
その後の考古学者による発掘で、トロイ遺跡では紀元前3000年ごろに始まる初期青銅器時代(第1市)から、紀元前350~400年頃のローマ時代(第9 市)まで、時代ごとに特徴が異なる9層にわたり積み重なった都市の遺構が発見されました。
円形劇場 |
各層の跡 |
トロイ遺跡の隣にトロイ博物館があります。階ごとにテーマがあり、トロイ遺跡から発掘された2000点にものぼる出土品が展示されています。
紀元前5世紀の「操り人形」と「三猿」。古代の「三猿」は目と耳と口を覆っていませんが、この時代に「三猿」があったのに驚きました。
3匹の猿というモチーフ自体は古代エジプトやアンコール・ワットにも見られるもので、シルクロードを伝い中国を経由して日本に伝わったという見解があります。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%8C%BF
トルコの伝統芸能に「Ozan(オザン)」と呼ばれている吟遊詩人がいました。日本での「琵琶法師」と同じように、琵琶に似た弦楽器を弾きながら聴衆に、物語(叙事詩)を語ります。文字がなかった時代、過去に起こった重要な出来事を口頭で後世に伝えていく貴重な伝統でした。私のトルコでの研究もこの口頭伝承文芸なので、紀元前10-6世紀に、もうすでにオザンがいたのこに感銘を受けました。
素晴らしい博物館でしたが、一つだけ、おかしいと思った展示が目に止まりました。
海産物の展示の「あれ?」に気が付いたでしょうか?さて、さてどこでしょう・・・ 見つかりましたか?