2017年4月6日木曜日

濁酒風でもノンアルの冬の飲み物ボザ〜炒ったひよこ豆とシナモンを振り掛けて



もう桜が咲き始め春になろうとしていますが、寒い冬の夜、日本の夜鳴き蕎麦のように、私の住んでいたイスタンブルの住宅街には、「ボ〜ザァ〜!!」と言いながら上の写真の飲み物を売りに来ていました。カップを渡すと、そこへなみなみとボザを入れてくれます。

どこか濁酒に似た味で、少し酸味があり甘いです。甘酒のような感覚でしょうか。
これにシナモンと炒ったひよこ豆を乗せて、飲むというよりスプーンですくって、食べるという感じです。

スーパーなどでも売っていますが、上の写真のヴェファボザ店で飲むボザは、格別です。この店には、トルコ共和国建国の父、ムスタファ・ケマルパシャも来店したそうです。キビを発酵させて作るので、スーパーで買ったボトルの中でも発酵が進み、時々破裂することもありました。発酵し、また冷所で保管しなければならないため冬の間だけ売られています。

16世紀の中頃にトルコにコーヒーが入ってくるまでは、コーヒー替わりの嗜好品として飲まれていました。昔は少しのアルコールが入っていたそうですが、現在はノンアルコールです。オルハン・パムク『僕の違和感』(Orhan PAMUK ”Kafamda Bir Tuhaflık”)の主人公は、このボザ売りです。