2020年9月17日木曜日

食文化誌『VESTA』「世界を旅する和食の今」に記事が載りました。

皆様、大変ご無沙汰しております。

9月に入り、少し過ごしやすくなりましたが、コロナ禍の暑い夏をどうお過ごしでしたでしょうか?

私は、2012年にトルコから完全帰国して初めて、自宅で夏を過ごしました。暑かったです…。

でも、その間、実家をはじめ各方面から、茄子・トマト・キュウリなど夏野菜がどっさり届いたので、嬉しくなりトルコ料理をたくさん作りました。やはり、太陽の光をたくさん浴びた季節の野菜は、おいしいですね。また、夏野菜で作ったトルコ料理をこのブログで、ご紹介していきたいと思います。

さて、今回、公益財団法人 味の素食の文化センターが発行している食文化誌『VESTA』に記事が載りました。

「世界を旅する和食の今」というテーマで、和食が世界でどう受け入れられているのかを特集した号です。「トルコの日本食〜イスラムの食習慣とコスモポリタン的好奇心の狭間で〜」という題で書きました。

コロナ禍で、最新の調査をしに現地へ行けなかったため、イスタンブル在住の友人たちにインタビューをして協力してもらいました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。ご協力いただいた皆様、本当に助かりました。ありがとうございました。

日本食を飲み込んでトルコの食文化は、どこに向かうのか、これからもトルコの食文化を見つめ続けていきたいと思います。

2020年3月11日水曜日

うまみが凝縮されたドライトマトのオリーブオイル漬け〜絶品の調味料としても〜


トルコの友人に教えてもらって以来、うちでの万能調味料として重宝しているドライトマトのオリーブオイル漬けをご紹介したいと思います。

作り方は、いたって簡単です。
材料は

  • ドライトマト適当な大きさに切る(お好みで最初に少しもどしてから水分をとって漬けると柔らかくなります)
  • ニンニクのみじん切り
  • オレガノ
  • 黒オリーブ(種をとる)
  • オリーブオイル
材料を全部オリーブオイルに漬けて、保存するだけです。
漬けたビンを朝夕上下にし、一週間たてばできあがりです。
パンにつけると美味しいオリーブオイルがあれば、なおさら風味がでます。

取り出したものをそのまま、パンと一緒に食べても美味しいですし、くだいたクルミを振りかけても。

赤いトマトのうまみを発見したトルコ人は、それをペーストにすることで料理に取り入れたことは、本にも書きました。(『トルコ料理の誘惑』のご注文(amazon)ここをクリックするとamazonに移動します)そのトマトをドライにすることによって、うまみがより一層凝縮されます。この凝縮されたうまみが、オリーブオイルに溶け出し、ニンニクやオリーブ、そしてハーブと調和し、絶品の調味料になります。

このオイルの美味しさを一番引き出したのは、キャベツでした。「キャベツがメインに変わる!」との、我が家での好評メニューです。(上のお皿はメインが乗る前の写真ですが)

作り方は、キャベツを8等分か、6等分にくし形に切り、オリーブオイルを入れたフライパンに乗せ、塩少々ふりかけ、少量の水を入れて蓋をして、蒸し焼きにするだけです。キャベツは少し焦げ目がついた方が美味しいです。
できあがったキャベツに粗挽き胡椒と、ドライトマト漬けのオイルをかけたら、あら不思議、本当にキャベツがこんなに美味しいのかと、驚きます。


同じようにして焼いたレンコンにも合います。ドライトマトは刻んで乗せました。(一見唐辛子のように見えますが…)


 ゆで卵も、おつまみに変身します。


パスタにかけても
チキンとキノコのソテーや
チキンと野菜の煮込みにも
ひとかけで、グッと味が引き立ちます。


このようにして、我が家では、いろんな料理に振りかけて味の変化を楽しんでいます。
現在もまだまだ、合う料理を探索中です。

皆様も是非お試しください。

2020年1月23日木曜日

トルコに来たな…と感じたこと〜バスの中での出来事〜

料理とは関係ない話ですが「トルコに来たな…」と、実感することがあったので、綴ります。

イスタンブルでの滞在先は、アジア側の少し辺鄙な所です。そこからヨーロッパサイドには、バスに乗って行きます。

昨日、博論の指導教官だった先生宅に行くために、背中にパソコンや書類を入れたリュックを背負い、もう一つ大きな鞄を持って、バスに乗りました。いつも、座ることは不可能なほど、混んでいます。

乗ったバスが、一つ目のバス停で止まって出発したと思ったら、そのまま、また止まってしまいました。私はバスの中の通路に立っていて、フロントガラスから前が見えていました。

どうやら、信号のところで、バスの4台前のベンツが故障して動かなくなったようでした。そのベンツが、道路をふさいでいるため、後続の車も動けません。

乗客が、何だ何だ??と騒ぎ始めました。

私はつり革につかまっていましたが、そこへ、後部から来た若い男性が私の前まで来て、私がつかまっているつり革を右手でつかみました。
どうして、同じつり革をつかむ? おまけに、彼の右肘が、私の顔の前にくるではありませんか。「鬱陶しいな」と、思いながら、男性をチラッと見ました。

男性も私をチラリと見返しましたが、しかし、バスの前方で起こっていることが気になるのか、私のことを気にしません。私と同じつり革を持ったまま。そして、肘は、私の顔の前から動きません。いつまでこの肘攻撃が続くのかと、我慢していましたが、状況は変わらなかたので、彼の肘をちょっと手ではらいました。

しかし、男性は「すぐ降りるから」と、言って、そのままつり革をつかんでいます。私も、他につかまるところがなかったので、負けずと、またちょろっと手で払いましたが、彼は意に介せず…。

それを見ていたのでしょう、後にいた男性が「彼女が迷惑しているだろう!前のつり革をつかめ!」と、私の代わりに言ってくれました。

と同時に、私がたくさんの荷物を持っていたからでしょうか、右手前に座っていたおじいさんが、反対側の座席に座っていた青年に「彼女を座らせてあげろ」と 言い、私の腕をトントンとたたいて、座るように促してくれました。言われた青年も、何一つ文句も言わずさっと席を譲ってくれました。そして、バスは数十分後、無事に動き出しました。

 私と同じつり革をつかんでの肘攻撃も、私に代わり文句を言ってくれたことも、自分ではなく他の人を立たせて座らせてくれたことも、あぁ、やっぱりここは、トルコ!だと感じました。

日本ではどれも、考えられない話です。そう、ここでは、嫌な目に遭っても、それにまさる人の温かさ、人のよさに、まだまだ触れられる機会が多々あります。

そんなトルコが、好きなのです。

2020年1月21日火曜日

トルコに来たらまずは何が何でもこれ〜週末のゆったりしたブランチ〜

学会発表のためにトルコに来ています。
学会開催の地方都市に行く前に、まずはイスタンブルで滞在。
イスタンブルといえば、週末のマルマラ海峡沿いでの朝ご飯は、欠かせません。

今回は、オランダ経由でへとへとになりながらイスタンブルに到着しましたが、朝ご飯に行くとなれば、元気がでます。 トルコに来たら、さっそくまずは何が何でも朝ご飯!!

テーブル一杯に並んだ、朝ご飯の数々


上の写真、左上から、
  • チーズのピデ(トルコのピザ)、
  • 三つの小さいボールには、ブラックオリーブ、イチゴジャム、オレンジマーマレード、
  • 小さい器にはバター、
  • 大理石のまな板には5種類のチーズ、
  • その右上の二つの固まりは、キプロスのヘリムチーズのフライと、トルコのスパイスソーセージ、スジュック、
  • その上は、スクランブルエッグ
  • 下にはトマト。


  •  丸いフライパンには、黒海料理のムフラマ(詳しくは以前書いたこちらをご覧ください。https://torukomeshi.blogspot.com/2017/11/blog-post_27.html)、
  • 野菜類の続きで、キュウリとイタリアンパセリとパプリカ、
  • 下にはグリーンオリーブ、
  • その右にはヌテッラ(チョコレートスプレッドの上に粉末のピスタチオがかかっているのがトルコ風)、
  • 一番右下のスプーンが乗っているものは、味見してみましたが、何だか分かりませんでした。胡麻ペーストとペクベズ(ブドウの絞り汁から作った黒砂糖に似たもの)かと思いましたが、違っていました。
  • その上の赤いのは、ムハンマラ(クルミと トマトやパプリカのペースト、オリーブオイルなどで作る南東の料理)
  • カッテージチーズとラズベリージャム
  • 一番上は、私の大好きなカイマックとハチミツ

そして、もちろんパン!
書き出してみたら、いろんな地方料理が混ざっていました。 とても食べきれる量ではありませんが、それでも休み休み食べ続けてしまいます。

朝ご飯というより、ワインがほしくなります。
 

去年の10月に来た時にはなかった、鉄瓶でのおかわり自由のチャイ。
前回は、確かポットがあったと記憶しています。

トルコでは時々、東アジアの製品が好まれて使われますが、この鉄瓶は重い…。
他の店との違いをアピールしたかったのでしょうが、ちょっとどうかと思いました。

2019年12月17日火曜日

寒い時や風邪をひいたら飲みたくなる飲み物〜スパイス茶カイナル〜

寒い冬や風邪にはカイナル
2019年も残すところ、後少しになってきました。皆さん、お忙しくされているでしょうか。

寒い日が続くと、巷では咳やくしゃみをしている人をよく見かけるようになりました。
そんな時、思い出すのが、地中海にあるメルシンという街出身の友人や、そのご家族が寒くなると作ってくれた、スパイスを煎じたカイナルという名前の飲み物です。

飲むと、混ざり合ったいろんなスパイスが、ピリっと喉元を刺激し、その後は、体がポカポカと温まってきます。

ボザ(詳しくは、こちらをご覧下さいhttps://torukomeshi.blogspot.com/2017/04/blog-post_6.html)がイスタンブルの冬の風物詩であるなら、カイナルはメルシンやアダナ、アンタキヤ地方に冬到来を告げる飲み物でしょう。

カイナルのことをFBで書いたら、アナトリア中部に住んでいるトルコ人の知人から「作り方を教えて」と連絡がきたので、驚きました。他の地方では、あまり飲まれていないのかも知れません。

カイナルに使うスパイス
 カイナルは7つのスパイスを煎じて作ると教わりました。(スパイスの数や種類は、家庭によって多少変わることもあるようです)コトコトと1時間~1時間半煎じている間に、スパイスの香りが漂ってきます。一緒に砂糖も入れて、煮立てるので、もちろん甘いです。次の7つの写真は、カイナルに使うスパイスです。(日本で購入できます)

丁字
ドライ生姜






ホールのオールスパイス
ターメリック
シナモンスティック
リョウキョウ





ナツメグ
生姜は生のものより、乾燥したものの方が、味がよく出るそうです。そして、全てのスパイスは、パウダー状でも売られていますが、やはりそのままのものを煎じるのがいいそうです。

あるレシピを見ると、水5リットルにスパイスを入れ、そこに2キロの砂糖を加えると書いてありました。甘過ぎではありませんか? それに、うちには5リットルの水を入れられるヤカンもありません。そのため、自宅にあるヤカンに適当にスパイスを「お茶・だし兼用パック」に入れて煮立てます。


 私は、煎じる時に砂糖はいれず、飲むときに少し、ハチミツを加えます。
もちろん、砕いたクルミは、たっぷりと振りかけます。シナモンパウダーや、砕いたピーナツをかけると言う人もいるようです。



ここからは余談です。
カイナルは、出産後40日間、お祝いに来た人にふるまわれるロフサ・シャーベティ(一般的にLohusa şarbetiと書かれますが、辞書ではLoğusa şarbetiと記載されています)としても、飲まれているところがあるそうですが、私が見たロフサ・シャーベティは、バラ色をした飲み物で、カイナルとは違っていました。(下の写真 https://www.pinterest.jp/pin/50876670767307284/)

ロフサ・シャーベティ
その作り方を調べてみると、どうやらピンク色をしたロフサ・シャーベティの素があるようで、それにカイナルに使われているような、スパイスを加えて作るみたいです。出産後のお祝いにふるまわれるだけでなく、母乳の出がよくなるように、そして母乳がいい香りになるようにと、母親にも飲むよう勧められるそうです。

このロフサ・シャーベティは、実は、オスマン帝国時代にもあった飲み物で、昔は、胃腸の働きや免疫力を高めるために飲まれていたそうです。また、はしかや肺炎によく効くとも言われていました。たくさんのスパイスを煎じているからだと思います。



オスマン帝国時代も、現在も「ロフサ・シャーベティ」と、名前は同じですが、はてさて、この二つの中身も、同じものなのでしょうか…。
そして、カイナルとの関係は? 

一つのことから、調べたいことが次々に現れてきます。

2019年11月11日月曜日

私の本が出版されました〜『トルコ料理の誘惑ー私を虜にした食と文化』〜

皆様、このたび機会をいただき、現代企画室より『トルコ料理の誘惑〜私を虜にした食と文化』を出版することができました。
発行日は10月29日、そう、トルコ共和国建国記念日です。編集者の方が合わせてくれました。

この本を書くきっかけは、ブログを読んでくれている友人知人が「是非、本にまとめたらいいよ」と、アドバイスをくれたことでした。そして、ご縁があり、現代企画室につないでいただくことができました。

本書では、ブログで書いたことをまとめただけではなく、16年以上のトルコで経験したことや、帰国後の研究をもとに、大好きなトルコの食と文化について紹介しています。
内容は以下のとおりです。
・トルコ料理はどこからきたのか
・近代化の波とオスマン宮廷料理の変革
・コーヒーに集う市民たちの嗜好と贅沢
・イスラムの年中行事を食べ尽くす
・帝国は滅ぶともスイーツは滅びず
・トルコ食文化の担い手たち
・現代トルコ家庭の「いえごはん」
・トルコ人はどこからきて、どこに定着したのか

料理をとおしてトルコの文化もとりあげ、読者の皆様が飽きないように、趣向をこらしたつもりです。

最後には、日本の材料で作れるトルコ料理のトルコ風(←ここが肝心)レシピをご紹介しています。

是非、お手に取って一読いただければ、大変嬉しく思います。

この本を出版することができたのも、ブログを読んでくださっている皆様のお陰です。
有難うございます。

今後は、本書で取り上げた多くの個々の料理について、作り方や説明などをこのブログで、書いていこうと思っておりますので、今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。

2019年10月14日月曜日

分かっちゃいるのに止められないこと〜トルコでの買い物・本〜


今回買った本
 トルコに来ると、日本で手に入らないものの一つ、本を買います。

イスタンブル大学のメインゲート
そのために、毎回、イスタンブル大学のメインゲートとグランドバザールの間にある、本屋に買いたい本リストを持って探しに行きます。

イスタンブルでの滞在先は、アジア側で、それも第二大橋からまだ北にあるため、ヨーロッパ側の旧市街までは、かなり遠いですが、街の普通の本屋にない本があります。院生の時、授業で使う教科書や資料も、ここへ探しにきました。


今回の滞在で、院生時代にとてもお世話になった学生課の方に挨拶しに行った帰り、本屋に寄りました。





やはり、ここに来るとどんな本に出逢えるか、ワクワクします。リストに挙げた本が見つかるかどうかは、分かりませんが…。

本屋街への入り口
まず、見つかりそうな雰囲気の本屋に入ります。そこで、探している本のリストを見せて、訊ねます。そうすると、その本屋になかったら「○○番の店にあるよ」とか「○○番の店で訊ねてみな」と、教えてくれます。

残念ながら、今回探しているリスト本の中では、一冊だけしか見つけられませんでした。でも、他に買いたい本を見つけてしまい、我慢できずに買ってしまいました。

滞在先に帰って、重さを量ってみると5キロ弱…。あー、他に食材も買ってしまった。
全部、持って帰れるのか?

トルコに来ると、いつも同じ問題をかかえます。

でも、分かっちゃいるのに、止められない…。