夏に滞在している山小屋のある国際村は、もうすぐ100周年を迎えようとしています。
一年に一度、ここで顔を合わせる知り合いも沢山います。散歩の途中でちょっと寄ると、お茶やお菓子でおもてなしを受けたり、そのまま晩ご飯までご馳走になることもあります。その逆もありです。「ちょっと近くまで来たから寄ったのよ」というのは、なんだか、トルコを思い出して嬉しくなります。なので、我が家にも寄ってくださる方のために、トルコのお菓子を作ったり、マフィンやケーキを焼いて常備するようにしています。
また、この村には、夏の間に、いろいろな活動が企画されます。ピクニックもその一つで、子供から大人まで楽しめる大イベントです。このピクニックは、地元の町の人との交流も兼ねています。今年も、副町長さんを始め、役場の人たちが参加しに来てくれました。皆で一緒に食事もするので、役員をしている各家庭がそれぞれ料理を持ち寄ります。
私はトルコの「ポアチャ」(日本で言えばパンの一種)と「ドルマ」と「サルマ』を作り、水切りヨーグルトも添えて、持って行きました。地の野菜を使って作ったので、皆さんに大変喜んでいただきました。
前回は「ドルマ」の作り方をご紹介しましたね。今回の「サルマ」は、まあ言えばドルマの中身を葉で巻いて作る料理です。「サルマ」という料理名はトルコ語のサルマック(sarmak:巻く、包む)という動詞からきています。ドルマと同様に、暖かいお肉の入ったものと、お米といっしょにスパイスや松の実などをくるんだ冷菜があります。
トルコのアナトリア地方の中央あたりにある、カイセリという町のサルマは、小指の第二関節ぶんほどの大きさです。カイセリは、サルマとマントゥ(←マントゥについてはクリックしてみてください)が小さいことで有名な町です。サルマを太く大きく巻くと「不細工!!」と言われます。中身が葉から出てこないように、きっちりと小さく小さく巻くのは、至難の技です。一体、何百個作ればいいのでしょう? 作るのには、何時間もかかるのに、食べるのは、あっという間です。それでも「美味しい」と喜んで食べる家族の顔を見ると、大変さも吹き飛んでしまうのでしょう。
一般的に、サルマにはブドウの葉が使われますが、キャベツやフダンソウなども使われます。トルコ語では、パズ(pazı)といいますが、日本ではフダンソウと呼ばれます(地方によって色んな呼び方があるみたいです)。この野菜を日本で手に入れたときは、「サルマが作れる!」と大喜びしました。
フダンソウを見つけて作ったサルマ |
本来なら、サルマの大きさを揃えた方が見栄えがいいのですが、ツルムラサキの葉の大きさがまちまちなので、一つずつの大きさも変わってしまいました。カイセリのお母さんたちにみられたら「不細工!」と言われそうです…。
さて、このサルマ作り方ですが、基本的に巻きこむ中身や炊き方は、ドルマと同じなので、ドルマの記事を参照していただくことにして、ここでは、少しコツだけをご紹介したいと思います。
その1)
まず、鍋(私はフライパンを使っています)の底に、サルマの中身を作る時に残ったパセリの茎を敷きます。その上に、巻いたサルマを並べます。これは、 サルマが鍋の底で焦げつかないためです。
その2)
サルマを炊く時、巻いた葉がばらけてこないように、お皿をかぶせます。その上に、蓋をして、少しお湯を注いで炊きます。
出来上がり!
水切りヨーグルトを添えて召し上がれ。