2017年8月7日月曜日
トルコ式詰め物、ドルマのレシピ〜高原の夏野菜を使って作る〜
毎年、夏の暑い時期には北信濃にある山小屋で過ごします。ここには、地場の新鮮で美味しい高原野菜が沢山あり、都会では考えられない値段で売られています。これを見ると、無性にトルコ料理が作りたくなります。
今年も、山小屋にやってきました。北信濃には「ぼたんこしょう」という、ピリ辛のピーマンに似た野菜があります。これを使って例年、私はドルマを作るのが夏の習わしです。
さて、ドルマとは、トルコ語のドルマック(dolmak)「満ちる・いっぱいになる」という動詞から派生した言葉で、トルコでは「詰め物料理」を指します。
ドルマには、ピーマンや茄子などの野菜の中に、松の実やカラントと一緒にお米を詰めたスパイシーな冷菜と、お肉とお米を詰めた温菜があります。オスマン時代から受け継がれたレシピもありますが、現在のドルマはというと、各家庭で作られたちょっとしたご馳走になります。友人の家に滞在した時に、「今日の晩ご飯はドルマよ」とお母さんの声がキッチンから美味しそうな匂いとともに聞こえて来ると、思わず嬉しくて顔がほころんだものです。
今回は、私が友人のお母さんに教えてもらった暖かいドルマのレシピをご紹介します。日本でも、料理には各家庭でそれぞれ材料も作り方も、少しずつ違うレシピがあるのと同じで、トルコでもそれぞれの家庭で工夫されたご自慢のレシピがあります。決して、このレシピだけがドルマのレシピではありません。他の材料や作り方もあります。でも、私にとっての夏の定番ドルマは、これなのです。山小屋に来るゲストにもなかなか好評です。
友人のお母さんに教えてもらった、ちょっとしたこつも付け加えてみました。
■ぼたんこしょう、茄子、ズッキーニのドルマ
(ぼたんこしょう7個、小茄子4個、ズッキーニ特大2本、ミンチ500グラムを使いました)
材料
ぼたんこしょう(なければピーマン)
茄子
ズッキーニ
にんにく
タマネギ
トマト
イタリアンパセリ(なければパセリ)
牛ミンチ
お米
バター
オリーブオイル(すみません、写真には入っていません)
ビベル・サルチャス(パプリカペースト なければ赤唐辛子のフレーク)
ドマテス・サルチャス(トマトペースト フレッシュトマトを沢山いれた場合は不要です)
スマック酢(このお酢は、トルコ独特の調味料なので手に入れにくいと思います。代わりにバルサミコ酢かレモン汁を使ってください)
ドライミント
塩、胡椒
1)先ず、野菜の下ごしらえです。
ズッキーニは大きかったので、1本を真ん中で二つに切り分け、それぞれの中身をくり抜きます。
ポイント:できるだけ薄くくり抜きます。この時に、底や皮が破れないように気をつけます。
2)茄子も同じように中身をくり抜き、水に漬けてアク抜きをします。へたも取っておきます。
3)ぼたんこしょう(ピーマン)はへたを切り、種を取り除きます。へたも取っておきます。
4)タマネギをみじん切りにして、塩でもみます。
5) ニンニクをみじん切りにします。トマトもニンニク同様にみじん切りにします。
ボールに 4)のタマネギと、ニンニク、トマト、ミンチを入れます。
そこにお米とオリーブオイルは残して、それ以外の全ての材料を入れます。
スマック酢(バルサミコ酢かレモン汁で代用)を入れます。
6) 全ての材料を混ぜ、ここでオリーブオイルをまわしかけ、そしてまた混ぜます。
7)お米を入れます。今回は無洗米をつかったので、そのまま入れましたが、無洗米でない場合は、あらかじめといだお米を入れます。
ポイント:手のひらに一握り×詰め物の数
8)ぼたんこしょうや茄子に 6)で用意した中身を詰め、へたで蓋をします。ズッキーニの詰め物には、トマトのへたで蓋をしました。今回は、少し中身が余ったので、急遽トマトのドルマも作りました。フライパンにドルマを並べ、バターを加えて、少し熱湯を注ぎます。
ポイント:中身をぎゅうぎゅうに詰めると、爆発するので気をつけてください。一方、中身が余った場合は、くり抜いたジャガイモに詰めることもできます。
新タマネギやトマトを大量に使う場合、水分が沢山でるので、加える熱湯は少なめにします。
9)蓋をして、最初は強火で、沸騰したら中火〜弱火にして煮込みます。全体に火が通って、柔らかくなり、煮汁が少なくなれば出来上がりです。
ポイント:私はフライパンを鍋代わりに使ってドルマを作ります。しかし、茄子やズッキーニなどのドルマは、時々返して煮汁
を染み込ませています。
出来上がり!
無糖ヨーグルト(水切りをすれば、さらによし)をかけて召し上がれば、美味しいです。