2017年6月13日火曜日

断食月ラマザンのうんちく〜その1・嫌いだったラマザンが楽しくなる〜

2017年の断食月が、5月26日から始まっています。ラマダンやラマザンと呼ばれていますが、ラマザン(ラマダン)はイスラム暦第9月の名前で、断食という意味ではありません。この月に断食が行われるということです。イスラム暦なので、前の年より11日ほど、早く始まります。

断食はオルチ(oruç)とトルコ語で言います。日の出から日没まで、飲食ができません。もちろん喫煙もできず、喧嘩や悪口などの汚い言葉を使う事も、そして性交渉もタブーです。

夜明けとともに断食が始まり、日没とともに断食の終わりに食べる食事をイフタール(ihtar)といい、断食が始まる前に食べる食事のことをサフール(sahur)と言います。これが約1ヶ月続きます。

断食をしている間は、飲食禁止で食事の味見もできないため、料理の味が毎日少し変わる食堂などもあると聞いたことがあります。

イスタンブルに住む前に、初めてトルコに住んだ町はアナトリアの田舎でした。そこで初めて断食月ラマザンを経験することになります。イフタールの時間は、外に人っ子一人いなくなり、まるで昔の日本の大晦日、除夜の鐘がなる前のような静けさでした。暗くて物寂しいその中を、一人トボトボ歩きながら帰ったこともありました。公共交通機関は全部ストップ。バスに乗り遅れようものなら、1時間以上、雪の降る(当時のラマザンは冬でした)凍えるような寒さの中、震えながらバスを待つことになります。バス停の横にある暖かい店の中で、食事をとっている人を、ガラス越しに恨めしく眺めたものです。

別の地方から来た学生が、日中タバコを吸っていると、見ず知らずの人から殴られて青あざを作ったということを何度も耳にしました。

一番嫌だったのは、ラマザン期間中、町の酒屋さんが閉まってしまうことでした。 4年間その町に住んでいましたが、最後には大手スーパーができたので、ラマザンが始まる前に思い荷物を運ぶことをしなくてもよくなりましたが、とにかく、私は暗くて、寂しいラマザンが当時は嫌いでした。

ところが、イスタンブルに来て驚きました。飲食店が開いている!!公共交通機関も動いている!!イフタールの時間に外に人がいる!!そして、日没後に色んな催し物があり、屋台なども出て、毎日まるでお祭りのようでした。ラマザンって、楽しいものだったの?
認識が一度に変わりました。
色んな屋台が出て人々で大賑わい
余興に音楽の演奏も

炭火で作るトルココーヒ占い付き