2020年12月24日木曜日

トルコのパン「エクメッキ」を発見!〜日本で「トルコ風朝ごはん」を楽しむ〜

 時々、どうしても我慢ができなくなり、食べたくなるものの一つが、トルコの朝ごはんです。


 最近、近くのスーパーで、”トルコのパン「エクメッキ」”と書いてあるものを目にしました。えっ!トルコのパン?と、驚いたと同時に、エクメッキを手に取っていました。

トルコのパン「エクメッキ」と書かれたパン

 このパンを買った帰り道、数日前から頭の中にいすわり続け、消えなかった「トルコの朝ごはん」を作り、ブランチにすることに決めました。
 でも、どうしてもアラトゥルカ(トルコ風)にしかなりませんが… というのも、全てをトルコの食材にした「トルコの朝ごはん」を用意することは、至難の技だからです。
 

そこで、今回は
・トマトとキュウリのサラダ(タイムのドレッシング)
・茹で卵(クミン、パプリカパウダー、黒胡椒、唐辛子フレークがけ)
・チーズ(エスキカシャールチーズに似た母の作ったチーズ、裂けるチーズ、ヘリムチーズ)
・朝食用サルチャ(トマトペーストにスパイスが入ったもの)
・リコッタチーズ(カイマックの代わり)
・ハムとソーセージ
・オリーブ(緑と黒)
・オリーブペースト
・ジャムと蜂蜜
・パン(エクメッキ、クルミパン、栗入りパン、ブリオッシュ)
・チャイ 
がテーブルに並びました。
 

 買ったエクメッキの皮は、トルコで買う薪で焼いたエクメッキに似ていて、厚みがありましたが、中身はかなりみっちり詰まっていました。そのため、お腹にどっしりと溜まりました。
 
 ブリオッシュに、リコッタチーズを乗せて、蜂蜜やジャムを塗って食べたところ、ポアチャに似ていて、とても懐かしかったです。
 
  
 コロナ禍のため、今年の一月末トルコの学会に行ってから、もうすぐ一年が経とうとしています。せめて、朝ごはんを食べてトルコの気分を味わい、気持ちを収めようと思いましたが、逆にもっとトルコが恋しくなってしまいました。
 
 一日も早く、コロナが収束することを、切に願います!

2020年12月18日金曜日

ほうれん草の根が美味しいトルコのスープに〜ほうれん草の根っこは捨てないで!〜

         寒くなりましたが、冬野菜が美味しい季節の到来です。

ほうれん草の根と緑レンズ豆のスープ
 

 みなさんは、ほうれん草の料理をする時に、根はどうしていますか? 実は私は、捨てていました…ところが、最近、ピンク色をして丈夫そうな根がついたほうれん草を手に取った時、ふと祖母のことを思い出しました。祖母は、ほうれん草のおひたしを作るときに「根は栄養があるから、捨てないで食べるのよ」と根がついたまま食卓に出していました。少し甘くて、コリコリした食感でした。でも、ちょっと土臭かったので、子供の頃はあまり好きではありませんでした。

 祖母の思い出とともに、もう一つある光景が思い浮かびました。トルコのスーパーで、よく見かけていたほうれん草の根だけが入って売られている大きい袋を。そういえば、ほうれん草の根のスープや料理が美味しいと、以前トルコで聞いたことがありましたが、不思議なものが売られているなぁ、ぐらいにしか思いませんでした。

 でも今回、手にしたほうれん草の根が、あまりにも立派だったので、いろんなことを思い出したこともあり、捨てるのがもったいなくなり、料理をすることにしました。一品料理にするほどたくさんの根がなかったので、スープにしました。

 トルコ料理には、トマトのサルチャ(ペースト)が、欠かせません。炒めた玉ねぎに、サルチャを加え、人参と縦半分に切ったほうれん草の根を入れてスープにしました。

 夫は、初めて食べたらしく、その食感のよさが気に入ったようでした。

 それからは、根がついたほうれん草を見るたびに、買ってはスープにしています。

 上の写真のスープには、緑レンズ豆と人参も入っています。ほっこりした、優しい味のスープです。緑レンズ豆は、水かぬるま湯に数時間浸けたものを、茹でるとすぐにもどりますので、炒めてからお好みの柔らかさになるまで炊いてください。時間はそんなにかかりません。

 ほうれん草の根を使うようになってから、どんなトルコ料理があるのか気になり調べてみたら、前菜、サラダ、スープ、そして一品料理と、その種類はたくさんありました。

 書いてあった説明を読むと、どうやら昔から肉類と一緒に(特に骨付き羊肉)煮込まれる料理や、お米と人参と一緒にオリーブオイルで炒め煮にし、冷たくいただく料理としても食卓に上っていたようです。

 子羊の肉と調理する場合は、ドライプルーンやアプリコットを味付けに使うと美味しくなるそうです。味付けがオスマン宮廷料理みたいです。

 エーゲ海地方では、オリーブオイル炒めの別バージョンとして、お米は少なめで、たくさんのトマトとニンニクを入れて炒め炊きしている料理もあるようです。

 ポイントは、根はよく洗ったと思ってもまだ砂が出てくることがあるので、酢をたっぷり入れた冷水で何度も繰り返し洗うことだそうです。(ekşi sözlük) 

 日本でも「ほうれん草の根には、抗酸化作用のあるポリフェノールや、骨の形成に必要なマンガンが含まれているので、捨てないで食べましょう」(日本educe食育総合研究所)と、言われているみたいなので、みなさんも捨てずに、一度料理してみてください。

 きっと、新しい発見があると思います。

   Afiyet olsun≒召し上がれ

2020年11月24日火曜日

パンとヨーグルト入りの茄子料理レシピ〜ekmekli patlıcan yemeği(エキメッキリ・パトゥルジャン・イェメーイ)〜


 コロナ感染が拡大し続けておりますが、みなさま如何お過ごしですか。

 再び外食も、ままならないようになってきましたので、自宅での毎日の献立を考えるのも、だんだんマンネリになるかと思います。そんな時には、今までにない料理に挑戦してみるのは如何でしょうか。

 茄子料理のレシピが続きますが、今回は、パンとヨーグルトを使った茄子のトルコ料理です。日本の茄子料理では想像もできない組み合わせですが、とても優しい味です。おすすめですので、ぜひ、お試しください。

  では、材料と作り方を説明します。

材料:茄子、玉ねぎ、ニンニク、トマト、トマトペースト、シシトウ、牛ミンチ、ヨーグルト(水切りヨーグルト)、バゲット、イタリアンパセリ、オリーブオイル、塩胡椒、パプリカパウダー、(バター)

作り方

1.茄子をキューブ型に切り、水にさらしてから、オリーブオイルで炒め、塩胡椒をふります。炒めた茄子は、お皿に取って冷ましておきます。

 2.みじん切りにした玉ねぎとニンニクをオリーブオイルで炒めます。


 3.玉ねぎとニンニクが炒まったら、そこに種をとり輪切りにしたシシトウと、トマトぺーストを加えて炒めます。


 4.ミンチを加えて炒め、塩胡椒します。

5.トマトも加えて炒め、味を塩胡椒で整え、水分を少し飛ばします。

*トマトは、夏の完熟トマトをそのまま冷凍しておくと、取り出してから、水をさっとかけると皮がスルッとむけるので、煮込み料理には重宝します。

6.バゲットを適当な大きさに切り、トースターで焼きます。

*硬くなったパンの場合は、焼かずにそのまま使えます。

7.焼いたパンを深皿に敷きます。

8. その上に、炒めたミンチを乗せます。

9. 1で炒めた茄子をヨーグルト(水切りヨーグルトで和えるとクリーミーになります)と和えたものを、ミンチの上に敷き詰めます。その上から、オリーブオイル(バターを使うと濃厚になります)でトマトペーストとパプリカパウダーを炒めたソースと、刻んだイタリアンパセリを散らします。

*ヨーグルトを水切りしないで和える場合は、容器に入ったヨーグルトを、まずスプーンで混ぜ、トロトロにしておきます。

簡単に作れますが、手が込んでいるように見えますので、ぜひ作ってみてください。

冷えた白ワインにぴったりです。    Afiyet olsun≒召し上がれ

2020年11月3日火曜日

トルコ料理には欠かせない茄子とその料理レシピ(2)〜日本では生姜醤油が定番の焼き茄子がヨーグルトとともにサラダへ〜

 今回も、焼き茄子を使った簡単なサラダをご紹介します。

トルコの焼き茄子のサラダ(patılcan salatası:パトゥルジャン・サラタス)といえば、レモンとオリーブオイルで味付けしたものが、レストランのメゼ(前菜)によく登場します。しかし、焼き茄子をヨーグルトで和えたサラダも、とても美味しいです。

冷たい前菜として、パンに乗せて召し上がってみてください。

トルコのヨーグルトは、昼食や夕食に、食事のおともや、ソースとして使われます。果物が入った甘いヨーグルトも、売られてはいますが、食べるのはおやつとしてぐらいでしょうか。ましてや、朝ご飯にヨーグルトが出て来たことは、トルコ人家庭では経験したことがありません。お国が違うと、食材の使われ方も違います。

さて、今回の焼き茄子のサラダは、このヨーグルトで和えます。味が、ちょっと想像できないかもしれませんが、とても美味です。

焼き茄子の作り方や皮のむき方は、前回の(1)に書いてありますので、こちら(http://torukomeshi.blogspot.com/2020/10/blog-post.html)をご覧ください。

 では、材料と作り方をご紹介します。

材料                                         焼き茄子 、水切り無糖ヨーグルト、ニンニク、塩、オリーブオイル、イタリアンパセリ(または、普通のパセリ)

作り方                                       水切りヨーグルトを作ります。ざるにキッチンペーパーをしいて、その上にヨーグルトを入れ、冷蔵庫に数時間置きます。(前日の夜に入れたらちょうどよくなると思います。コーヒーフィルターを使う人もいるようです。)                 

焼き茄子の皮をむいて、好みの大きさに切ります。(ピューレ状にするより、切ったほうがテクスチャーがいいように、私は思います)

水切りヨーグルトに、すりおろしたニンニクと塩を入れて混ぜます。それを刻んだ焼き茄子に和えます。味見をして、塩が足りなければ足してください。(しばらく冷蔵庫で寝かすと味が落ちつきます)

容器に盛りつけ、その上からオリーブオイルをかけます。最後に、刻んだイタリアンパセリを振りかけます。

このサラダも、とても簡単で美味しいです。日本では、焼き茄子にヨーグルトを和えることは、珍しいので喜ばれると思います。是非お試しください。

 Afiyet olsun≒召し上がれ           

2020年10月27日火曜日

トルコ料理には欠かせない茄子とその料理レシピ(1)〜日本では生姜醤油が定番の焼き茄子がサラダに〜

あっという間に、秋も深まりました。

ちょうど秋茄子のシーズンなので、テーマは「トルコの茄子料理」です。

日本で、茄子といえばまず、焼き茄子が頭に浮かぶと思います。生姜醤油でいただくのが定番ですね。でも、トルコでは、この焼いた茄子が、いろんな料理に変化します。

まず、茄子料理の最初に登場するのは、焼き茄子を使ったサラダです。焼き茄子だけを使ったサラダもありますが、今回は、他の野菜と合えたサラダをご紹介します。とても簡単ですが、美味しいので是非、お試しください。            

分かりにくいですが、上の写真のブルーの器に入っています。冷えたスパークリングとよくあいます。

焼き茄子のサラダ

トルコにはチョバン・サラタスといいい、日本語で「羊飼いのサラダ」という名前のサラダがあります。タマネギ、キュウリ、トマトが入っていて、塩で味付けをし、オリーブオイルとレモンをかけます。手間いらずで、あっという間にできるサラダです。

そのチョバン・サラタスに焼いた茄子の皮をむいて、刻んで加えたサラダが、上の写真の今回ご紹介する「焼き茄子のサラダ」です。材料と作り方は次のとおりです。

材料                                        トマト、キュウリ、タマネギ、焼き茄子、塩、レモン、オリーブオイル、あればイタリアンパセリ

作り方                                         焼き茄子を作ります。(できたら炭火焼にすると美味しいですが、トルコ料理を教えていらっしゃる大濱裕美先生に、炭火焼ができなかったら、コンロの直火で焼くといいと教えていただきました。)

 キュウリとトマトを同じぐらいの大きさに切りそろえます。タマネギは、少し小さめに切ります。

 それに、皮を剥いた焼き茄子を加えます。(茄子を焼いたら、今は有料になりましたが、レジ袋に入れて冷まします。そうすると皮が剥きやすくなると、トルコ人の友人が教えてくれたので、毎回そうしています。)茄子は、好みでピューレ状にしても、刻んでもお好きなようにしてください。どちらでも美味しくいただけます。

 あれば、イタリアンパセリも刻んで加えます。       

 塩をふり、レモンとオリーブオイルをかけて、混ぜます。    

これだけで、とても美味しい焼き茄子のサラダが出来上がります。おすすめですので、是非お試しください。  

Afiyet olsun≒召し上がれ

2020年9月17日木曜日

食文化誌『VESTA』「世界を旅する和食の今」に記事が載りました。

皆様、大変ご無沙汰しております。

9月に入り、少し過ごしやすくなりましたが、コロナ禍の暑い夏をどうお過ごしでしたでしょうか?

私は、2012年にトルコから完全帰国して初めて、自宅で夏を過ごしました。暑かったです…。

でも、その間、実家をはじめ各方面から、茄子・トマト・キュウリなど夏野菜がどっさり届いたので、嬉しくなりトルコ料理をたくさん作りました。やはり、太陽の光をたくさん浴びた季節の野菜は、おいしいですね。また、夏野菜で作ったトルコ料理をこのブログで、ご紹介していきたいと思います。

さて、今回、公益財団法人 味の素食の文化センターが発行している食文化誌『VESTA』に記事が載りました。

「世界を旅する和食の今」というテーマで、和食が世界でどう受け入れられているのかを特集した号です。「トルコの日本食〜イスラムの食習慣とコスモポリタン的好奇心の狭間で〜」という題で書きました。

コロナ禍で、最新の調査をしに現地へ行けなかったため、イスタンブル在住の友人たちにインタビューをして協力してもらいました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。ご協力いただいた皆様、本当に助かりました。ありがとうございました。

日本食を飲み込んでトルコの食文化は、どこに向かうのか、これからもトルコの食文化を見つめ続けていきたいと思います。

2020年3月11日水曜日

うまみが凝縮されたドライトマトのオリーブオイル漬け〜絶品の調味料としても〜


トルコの友人に教えてもらって以来、うちでの万能調味料として重宝しているドライトマトのオリーブオイル漬けをご紹介したいと思います。

作り方は、いたって簡単です。
材料は

  • ドライトマト適当な大きさに切る(お好みで最初に少しもどしてから水分をとって漬けると柔らかくなります)
  • ニンニクのみじん切り
  • オレガノ
  • 黒オリーブ(種をとる)
  • オリーブオイル
材料を全部オリーブオイルに漬けて、保存するだけです。
漬けたビンを朝夕上下にし、一週間たてばできあがりです。
パンにつけると美味しいオリーブオイルがあれば、なおさら風味がでます。

取り出したものをそのまま、パンと一緒に食べても美味しいですし、くだいたクルミを振りかけても。

赤いトマトのうまみを発見したトルコ人は、それをペーストにすることで料理に取り入れたことは、本にも書きました。『トルコ料理の誘惑』のご注文(amazon)ここをクリックするとamazonに移動します)そのトマトをドライにすることによって、うまみがより一層凝縮されます。この凝縮されたうまみが、オリーブオイルに溶け出し、ニンニクやオリーブ、そしてハーブと調和し、絶品の調味料になります。

このオイルの美味しさを一番引き出したのは、キャベツでした。「キャベツがメインに変わる!」との、我が家での好評メニューです。(上のお皿はメインが乗る前の写真ですが)

作り方は、キャベツを8等分か、6等分にくし形に切り、オリーブオイルを入れたフライパンに乗せ、塩少々ふりかけ、少量の水を入れて蓋をして、蒸し焼きにするだけです。キャベツは少し焦げ目がついた方が美味しいです。
できあがったキャベツに粗挽き胡椒と、ドライトマト漬けのオイルをかけたら、あら不思議、本当にキャベツがこんなに美味しいのかと、驚きます。


同じようにして焼いたレンコンにも合います。ドライトマトは刻んで乗せました。(一見唐辛子のように見えますが…)


 ゆで卵も、おつまみに変身します。


パスタにかけても
チキンとキノコのソテーや
チキンと野菜の煮込みにも
ひとかけで、グッと味が引き立ちます。


このようにして、我が家では、いろんな料理に振りかけて味の変化を楽しんでいます。
現在もまだまだ、合う料理を探索中です。

皆様も是非お試しください。

2020年1月23日木曜日

トルコに来たな…と感じたこと〜バスの中での出来事〜

料理とは関係ない話ですが「トルコに来たな…」と、実感することがあったので、綴ります。

イスタンブルでの滞在先は、アジア側の少し辺鄙な所です。そこからヨーロッパサイドには、バスに乗って行きます。

昨日、博論の指導教官だった先生宅に行くために、背中にパソコンや書類を入れたリュックを背負い、もう一つ大きな鞄を持って、バスに乗りました。いつも、座ることは不可能なほど、混んでいます。

乗ったバスが、一つ目のバス停で止まって出発したと思ったら、そのまま、また止まってしまいました。私はバスの中の通路に立っていて、フロントガラスから前が見えていました。

どうやら、信号のところで、バスの4台前のベンツが故障して動かなくなったようでした。そのベンツが、道路をふさいでいるため、後続の車も動けません。

乗客が、何だ何だ??と騒ぎ始めました。

私はつり革につかまっていましたが、そこへ、後部から来た若い男性が私の前まで来て、私がつかまっているつり革を右手でつかみました。
どうして、同じつり革をつかむ? おまけに、彼の右肘が、私の顔の前にくるではありませんか。「鬱陶しいな」と、思いながら、男性をチラッと見ました。

男性も私をチラリと見返しましたが、しかし、バスの前方で起こっていることが気になるのか、私のことを気にしません。私と同じつり革を持ったまま。そして、肘は、私の顔の前から動きません。いつまでこの肘攻撃が続くのかと、我慢していましたが、状況は変わらなかたので、彼の肘をちょっと手ではらいました。

しかし、男性は「すぐ降りるから」と、言って、そのままつり革をつかんでいます。私も、他につかまるところがなかったので、負けずと、またちょろっと手で払いましたが、彼は意に介せず…。

それを見ていたのでしょう、後にいた男性が「彼女が迷惑しているだろう!前のつり革をつかめ!」と、私の代わりに言ってくれました。

と同時に、私がたくさんの荷物を持っていたからでしょうか、右手前に座っていたおじいさんが、反対側の座席に座っていた青年に「彼女を座らせてあげろ」と 言い、私の腕をトントンとたたいて、座るように促してくれました。言われた青年も、何一つ文句も言わずさっと席を譲ってくれました。そして、バスは数十分後、無事に動き出しました。

 私と同じつり革をつかんでの肘攻撃も、私に代わり文句を言ってくれたことも、自分ではなく他の人を立たせて座らせてくれたことも、あぁ、やっぱりここは、トルコ!だと感じました。

日本ではどれも、考えられない話です。そう、ここでは、嫌な目に遭っても、それにまさる人の温かさ、人のよさに、まだまだ触れられる機会が多々あります。

そんなトルコが、好きなのです。

2020年1月21日火曜日

トルコに来たらまずは何が何でもこれ〜週末のゆったりしたブランチ〜

学会発表のためにトルコに来ています。
学会開催の地方都市に行く前に、まずはイスタンブルで滞在。
イスタンブルといえば、週末のマルマラ海峡沿いでの朝ご飯は、欠かせません。

今回は、オランダ経由でへとへとになりながらイスタンブルに到着しましたが、朝ご飯に行くとなれば、元気がでます。 トルコに来たら、さっそくまずは何が何でも朝ご飯!!

テーブル一杯に並んだ、朝ご飯の数々


上の写真、左上から、
  • チーズのピデ(トルコのピザ)、
  • 三つの小さいボールには、ブラックオリーブ、イチゴジャム、オレンジマーマレード、
  • 小さい器にはバター、
  • 大理石のまな板には5種類のチーズ、
  • その右上の二つの固まりは、キプロスのヘリムチーズのフライと、トルコのスパイスソーセージ、スジュック、
  • その上は、スクランブルエッグ
  • 下にはトマト。


  •  丸いフライパンには、黒海料理のムフラマ(詳しくは以前書いたこちらをご覧ください。https://torukomeshi.blogspot.com/2017/11/blog-post_27.html)、
  • 野菜類の続きで、キュウリとイタリアンパセリとパプリカ、
  • 下にはグリーンオリーブ、
  • その右にはヌテッラ(チョコレートスプレッドの上に粉末のピスタチオがかかっているのがトルコ風)、
  • 一番右下のスプーンが乗っているものは、味見してみましたが、何だか分かりませんでした。胡麻ペーストとペクベズ(ブドウの絞り汁から作った黒砂糖に似たもの)かと思いましたが、違っていました。
  • その上の赤いのは、ムハンマラ(クルミと トマトやパプリカのペースト、オリーブオイルなどで作る南東の料理)
  • カッテージチーズとラズベリージャム
  • 一番上は、私の大好きなカイマックとハチミツ

そして、もちろんパン!
書き出してみたら、いろんな地方料理が混ざっていました。 とても食べきれる量ではありませんが、それでも休み休み食べ続けてしまいます。

朝ご飯というより、ワインがほしくなります。
 

去年の10月に来た時にはなかった、鉄瓶でのおかわり自由のチャイ。
前回は、確かポットがあったと記憶しています。

トルコでは時々、東アジアの製品が好まれて使われますが、この鉄瓶は重い…。
他の店との違いをアピールしたかったのでしょうが、ちょっとどうかと思いました。