時々、どうしても我慢ができなくなり、食べたくなるものの一つが、トルコの朝ごはんです。
最近、近くのスーパーで、”トルコのパン「エクメッキ」”と書いてあるものを目にしました。えっ!トルコのパン?と、驚いたと同時に、エクメッキを手に取っていました。トルコのパン「エクメッキ」と書かれたパン |
時々、どうしても我慢ができなくなり、食べたくなるものの一つが、トルコの朝ごはんです。
最近、近くのスーパーで、”トルコのパン「エクメッキ」”と書いてあるものを目にしました。えっ!トルコのパン?と、驚いたと同時に、エクメッキを手に取っていました。トルコのパン「エクメッキ」と書かれたパン |
寒くなりましたが、冬野菜が美味しい季節の到来です。
ほうれん草の根と緑レンズ豆のスープ |
みなさんは、ほうれん草の料理をする時に、根はどうしていますか? 実は私は、捨てていました…ところが、最近、ピンク色をして丈夫そうな根がついたほうれん草を手に取った時、ふと祖母のことを思い出しました。祖母は、ほうれん草のおひたしを作るときに「根は栄養があるから、捨てないで食べるのよ」と根がついたまま食卓に出していました。少し甘くて、コリコリした食感でした。でも、ちょっと土臭かったので、子供の頃はあまり好きではありませんでした。
祖母の思い出とともに、もう一つある光景が思い浮かびました。トルコのスーパーで、よく見かけていたほうれん草の根だけが入って売られている大きい袋を。そういえば、ほうれん草の根のスープや料理が美味しいと、以前トルコで聞いたことがありましたが、不思議なものが売られているなぁ、ぐらいにしか思いませんでした。
でも今回、手にしたほうれん草の根が、あまりにも立派だったので、いろんなことを思い出したこともあり、捨てるのがもったいなくなり、料理をすることにしました。一品料理にするほどたくさんの根がなかったので、スープにしました。
トルコ料理には、トマトのサルチャ(ペースト)が、欠かせません。炒めた玉ねぎに、サルチャを加え、人参と縦半分に切ったほうれん草の根を入れてスープにしました。
夫は、初めて食べたらしく、その食感のよさが気に入ったようでした。
それからは、根がついたほうれん草を見るたびに、買ってはスープにしています。
上の写真のスープには、緑レンズ豆と人参も入っています。ほっこりした、優しい味のスープです。緑レンズ豆は、水かぬるま湯に数時間浸けたものを、茹でるとすぐにもどりますので、炒めてからお好みの柔らかさになるまで炊いてください。時間はそんなにかかりません。
ほうれん草の根を使うようになってから、どんなトルコ料理があるのか気になり調べてみたら、前菜、サラダ、スープ、そして一品料理と、その種類はたくさんありました。
書いてあった説明を読むと、どうやら昔から肉類と一緒に(特に骨付き羊肉)煮込まれる料理や、お米と人参と一緒にオリーブオイルで炒め煮にし、冷たくいただく料理としても食卓に上っていたようです。
子羊の肉と調理する場合は、ドライプルーンやアプリコットを味付けに使うと美味しくなるそうです。味付けがオスマン宮廷料理みたいです。
エーゲ海地方では、オリーブオイル炒めの別バージョンとして、お米は少なめで、たくさんのトマトとニンニクを入れて炒め炊きしている料理もあるようです。
ポイントは、根はよく洗ったと思ってもまだ砂が出てくることがあるので、酢をたっぷり入れた冷水で何度も繰り返し洗うことだそうです。(ekşi sözlük)
日本でも「ほうれん草の根には、抗酸化作用のあるポリフェノールや、骨の形成に必要なマンガンが含まれているので、捨てないで食べましょう」(日本educe食育総合研究所)と、言われているみたいなので、みなさんも捨てずに、一度料理してみてください。
きっと、新しい発見があると思います。
Afiyet olsun≒召し上がれ
コロナ感染が拡大し続けておりますが、みなさま如何お過ごしですか。
再び外食も、ままならないようになってきましたので、自宅での毎日の献立を考えるのも、だんだんマンネリになるかと思います。そんな時には、今までにない料理に挑戦してみるのは如何でしょうか。
茄子料理のレシピが続きますが、今回は、パンとヨーグルトを使った茄子のトルコ料理です。日本の茄子料理では想像もできない組み合わせですが、とても優しい味です。おすすめですので、ぜひ、お試しください。
では、材料と作り方を説明します。
材料:茄子、玉ねぎ、ニンニク、トマト、トマトペースト、シシトウ、牛ミンチ、ヨーグルト(水切りヨーグルト)、バゲット、イタリアンパセリ、オリーブオイル、塩胡椒、パプリカパウダー、(バター)
作り方
1.茄子をキューブ型に切り、水にさらしてから、オリーブオイルで炒め、塩胡椒をふります。炒めた茄子は、お皿に取って冷ましておきます。
2.みじん切りにした玉ねぎとニンニクをオリーブオイルで炒めます。
5.トマトも加えて炒め、味を塩胡椒で整え、水分を少し飛ばします。
*トマトは、夏の完熟トマトをそのまま冷凍しておくと、取り出してから、水をさっとかけると皮がスルッとむけるので、煮込み料理には重宝します。
6.バゲットを適当な大きさに切り、トースターで焼きます。
*硬くなったパンの場合は、焼かずにそのまま使えます。
7.焼いたパンを深皿に敷きます。
8. その上に、炒めたミンチを乗せます。
9. 1で炒めた茄子をヨーグルト(水切りヨーグルトで和えるとクリーミーになります)と和えたものを、ミンチの上に敷き詰めます。その上から、オリーブオイル(バターを使うと濃厚になります)でトマトペーストとパプリカパウダーを炒めたソースと、刻んだイタリアンパセリを散らします。
*ヨーグルトを水切りしないで和える場合は、容器に入ったヨーグルトを、まずスプーンで混ぜ、トロトロにしておきます。
簡単に作れますが、手が込んでいるように見えますので、ぜひ作ってみてください。
冷えた白ワインにぴったりです。 Afiyet olsun≒召し上がれ
今回も、焼き茄子を使った簡単なサラダをご紹介します。
トルコの焼き茄子のサラダ(patılcan salatası:パトゥルジャン・サラタス)といえば、レモンとオリーブオイルで味付けしたものが、レストランのメゼ(前菜)によく登場します。しかし、焼き茄子をヨーグルトで和えたサラダも、とても美味しいです。
冷たい前菜として、パンに乗せて召し上がってみてください。 |
トルコのヨーグルトは、昼食や夕食に、食事のおともや、ソースとして使われます。果物が入った甘いヨーグルトも、売られてはいますが、食べるのはおやつとしてぐらいでしょうか。ましてや、朝ご飯にヨーグルトが出て来たことは、トルコ人家庭では経験したことがありません。お国が違うと、食材の使われ方も違います。
さて、今回の焼き茄子のサラダは、このヨーグルトで和えます。味が、ちょっと想像できないかもしれませんが、とても美味です。
焼き茄子の作り方や皮のむき方は、前回の(1)に書いてありますので、こちら(http://torukomeshi.blogspot.com/2020/10/blog-post.html)をご覧ください。
では、材料と作り方をご紹介します。
材料 焼き茄子 、水切り無糖ヨーグルト、ニンニク、塩、オリーブオイル、イタリアンパセリ(または、普通のパセリ)
作り方 水切りヨーグルトを作ります。ざるにキッチンペーパーをしいて、その上にヨーグルトを入れ、冷蔵庫に数時間置きます。(前日の夜に入れたらちょうどよくなると思います。コーヒーフィルターを使う人もいるようです。)
焼き茄子の皮をむいて、好みの大きさに切ります。(ピューレ状にするより、切ったほうがテクスチャーがいいように、私は思います)
水切りヨーグルトに、すりおろしたニンニクと塩を入れて混ぜます。それを刻んだ焼き茄子に和えます。味見をして、塩が足りなければ足してください。(しばらく冷蔵庫で寝かすと味が落ちつきます)
容器に盛りつけ、その上からオリーブオイルをかけます。最後に、刻んだイタリアンパセリを振りかけます。
このサラダも、とても簡単で美味しいです。日本では、焼き茄子にヨーグルトを和えることは、珍しいので喜ばれると思います。是非お試しください。
Afiyet olsun≒召し上がれ
あっという間に、秋も深まりました。
ちょうど秋茄子のシーズンなので、テーマは「トルコの茄子料理」です。
日本で、茄子といえばまず、焼き茄子が頭に浮かぶと思います。生姜醤油でいただくのが定番ですね。でも、トルコでは、この焼いた茄子が、いろんな料理に変化します。
まず、茄子料理の最初に登場するのは、焼き茄子を使ったサラダです。焼き茄子だけを使ったサラダもありますが、今回は、他の野菜と合えたサラダをご紹介します。とても簡単ですが、美味しいので是非、お試しください。
分かりにくいですが、上の写真のブルーの器に入っています。冷えたスパークリングとよくあいます。
焼き茄子のサラダ |
トルコにはチョバン・サラタスといいい、日本語で「羊飼いのサラダ」という名前のサラダがあります。タマネギ、キュウリ、トマトが入っていて、塩で味付けをし、オリーブオイルとレモンをかけます。手間いらずで、あっという間にできるサラダです。
そのチョバン・サラタスに焼いた茄子の皮をむいて、刻んで加えたサラダが、上の写真の今回ご紹介する「焼き茄子のサラダ」です。材料と作り方は次のとおりです。
材料 トマト、キュウリ、タマネギ、焼き茄子、塩、レモン、オリーブオイル、あればイタリアンパセリ
作り方 焼き茄子を作ります。(できたら炭火焼にすると美味しいですが、トルコ料理を教えていらっしゃる大濱裕美先生に、炭火焼ができなかったら、コンロの直火で焼くといいと教えていただきました。)
キュウリとトマトを同じぐらいの大きさに切りそろえます。タマネギは、少し小さめに切ります。
それに、皮を剥いた焼き茄子を加えます。(茄子を焼いたら、今は有料になりましたが、レジ袋に入れて冷まします。そうすると皮が剥きやすくなると、トルコ人の友人が教えてくれたので、毎回そうしています。)茄子は、好みでピューレ状にしても、刻んでもお好きなようにしてください。どちらでも美味しくいただけます。
あれば、イタリアンパセリも刻んで加えます。
塩をふり、レモンとオリーブオイルをかけて、混ぜます。
これだけで、とても美味しい焼き茄子のサラダが出来上がります。おすすめですので、是非お試しください。
Afiyet olsun≒召し上がれ
皆様、大変ご無沙汰しております。
9月に入り、少し過ごしやすくなりましたが、コロナ禍の暑い夏をどうお過ごしでしたでしょうか?
私は、2012年にトルコから完全帰国して初めて、自宅で夏を過ごしました。暑かったです…。
でも、その間、実家をはじめ各方面から、茄子・トマト・キュウリなど夏野菜がどっさり届いたので、嬉しくなりトルコ料理をたくさん作りました。やはり、太陽の光をたくさん浴びた季節の野菜は、おいしいですね。また、夏野菜で作ったトルコ料理をこのブログで、ご紹介していきたいと思います。
さて、今回、公益財団法人 味の素食の文化センターが発行している食文化誌『VESTA』に記事が載りました。
「世界を旅する和食の今」というテーマで、和食が世界でどう受け入れられているのかを特集した号です。「トルコの日本食〜イスラムの食習慣とコスモポリタン的好奇心の狭間で〜」という題で書きました。
コロナ禍で、最新の調査をしに現地へ行けなかったため、イスタンブル在住の友人たちにインタビューをして協力してもらいました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。ご協力いただいた皆様、本当に助かりました。ありがとうございました。
日本食を飲み込んでトルコの食文化は、どこに向かうのか、これからもトルコの食文化を見つめ続けていきたいと思います。
テーブル一杯に並んだ、朝ご飯の数々 |