イスタンブルに行くと、トルコの色々な地方料理を食べるのも楽しみの一つです。
今回は、黒海地方の郷土料理をご紹介します。
■薄いブルーで塗られた地域が黒海地方 |
黒海沿岸部からすぐに山岳地帯が立ち上がるのが黒海地方の特徴 |
タバコやお茶の栽培が盛んに行われており、日本のような段々畑形式の茶畑も見られます。
フンドゥック(fındık:ヘーゼルナッツ)も有名ですし、トルコ 映画の名前にもなったバル(bal:蜂蜜)でも有名です。しかし、黒海地方の特産物と言えば、農産物のムスル(mısır:トウモロコシ)と、海産物のハムシ(hamsi:カタクチイワシ)です。
ムスル(mısır:トウモロコシ)は、19世紀にコーカサス地方からの移民が持ち込んだものだそうです。(Arif Bilgin, Özge Samancı,'Türk Mütfağı' )
黒海地方の料理には、この特産のムスル(mısır:トウモロコシ)やハムシ(hamsi:カタクチイワシ)を使った料理がたくさんあります。ハムシのピラフやパンやピデ(pide:薄く伸ばした生地に具を置いて焼いたピザのようなもの)まであります。
黒海料理の特徴としては、胡椒と砂糖を一緒に使ったり、お漬け物を温かい料理にすることなどがあげられます。( Arif Bilgin, Özge Samancı,'Türk Mütfağı' )
私は、初めて黒海地方に遊びに行ったとき、そこで食べた料理の美味しさに衝撃を受けました。
黒海料理のレストランの料理 |
その美味しい料理の数々について書きたいと思います。
カララハナ・サルマス |
黒海地方のサルマには、トウモロコシの砕いたものと羊肉を細かく切ったものが入っています。ブルグルという挽き割り小麦をいれることもあるようです。(Mustafa DUMAN 'Trabzon-Maçka'da, 1950-1960 Yıllaır Arasındaki Geleneksel Mutfak Kültürü', M Sabri Koz ' Yemak Kitabı I Tarih-Halkbilimi-Edebiyat')
ファスリエ・トゥルシュス・カヴルマス |
この料理にジャガイモを加えることもあるそうです。(Mustafa DUMAN 'Trabzon-Maçka'da, 1950-1960 Yıllaır Arasındaki Geleneksel Mutfak Kültürü', M Sabri Koz ' Yemak Kitabı I Tarih-Halkbilimi-Edebiyat')
チーズフォンデューのように伸びるムフラマ |
黒海地方のマントゥ |
サルマにしろ、マントゥにしろ所変われば、同じ名前でも色々と違うものです。
黄色く四角いのはトウモロコシのパン |
トラブゾン・エクメックのスライス |
上の2段にある丸いパンがトラブゾン・エクメック |
トラブゾン・エクメックは、フランスのカンパーニュというパンに似ています。ずっしりと重いパンですが、厚め皮はパリッと、中はしっとりとして美味しいです。黒海以外でも、トラブゾン・エクメックと言う名で売られているものがありますが、黒海地方で使われている小麦、水そしてパンを焼くために使われている薪が違うために、同じ味にはならないそうです。(Mustafa DUMAN 'Trabzon-Maçka'da, 1950-1960 Yıllaır Arasındaki Geleneksel Mutfak Kültürü', M Sabri Koz ' Yemak Kitabı I Tarih-Halkbilimi-Edebiyat')
牛乳の入った優しい味のラズ・ボレーイ |
葡萄ジュースで作られるペペチュラ |
ラズ・ボレーイやリゼ・カダイフなどのデザート |
黒海色豊かな名前のデザート |
話をもどして、今回頂いたデザートは、私は大好きな、ミルクの入った優しい味のラズ・ボレーイ(Laz böreği) と、友人が勧めてくれて初めて食べたペペチュラ(pepe çura)でした。ペペチュラは、葡萄のジュースにコーンスターチを入れてとろみをつけて冷やしたものです。あっさりして、どちらも美味しかったです。
パンから、料理、デザートまでトウモロコシは、黒海料理には欠かせなく大活躍です。
今回、ただ1つ残念だったことは、イワシのピラフがなかったこと。季節ものらしく、今回は食べられませんでした。次回は、是非とも…。