2026年7月31日金曜日

美味しい夏野菜で第6回トルコ料理の夕べ


 
「トルコ料理」と聞くと、多くの人はケバブのような肉料理を思い浮かべるけれど、現地の家庭での主役は、実は豊かな野菜料理だ。だからこそ、みずみずしい夏野菜が出回る季節になると、私はがぜんトルコ料理が作りたくなる。

そんな中、コロナ禍以前によく開催していた「トルコ料理の夕べ」を久しぶりに開いてほしい、と嬉しいリクエストをもらった。記念すべき第6回目となる今回お迎えしたのは、計4名のゲスト。食の仕事に携わるプロフェッショナルな3人と、最近「食」のご縁で知り合ったばかりの、トルコ料理が初めての友人1人。

まずは前菜(メゼ)からスタートさせた。
一品目は、水切りヨーグルトのコクとズッキーニのみずみずしさが絶妙にマッチする「Kabak tarator(ズッキーニの冷菜)」。そして、じっくり焼いて甘みを引き出した「Köz biber(パプリカのマリネ)」。どちらも夏野菜の美味しさを最大限に活かした、この季節にぴったりの品だ。
さらに、ほうれん草とチーズを春巻きの皮(トルコでのユフカの代用)でバラの形に巻いて香ばしく焼き上げた「Gül böreği(ギュル・ボレキ)」と、トルコの食卓には欠かせない塩気の効いた「Beyaz peynir(白チーズ)」を並べた。
 
 
前菜を満喫したところで、メインの前に口直しを兼ねてスープを挟む。
お出ししたのは、夏にぴったりの「Cacık(ジャジュック)」。きゅうりとヨーグルト、ミントを合わせた冷たいスープだ。にんにくの風味とハーブの清涼感が、夏の火照った体を心地よくクールダウンさせてくれる。
さっぱりとしたスープで食欲がさらに増したところで、いよいよ本日のメインディッシュ。
 
主役は、トルコの夏の味覚を代表する「Karnıyarık(カルニヤルク / 茄子のミンチ詰め)」。本来は油を吸ってトロトロになった茄子に、ジューシーなひき肉をたっぷりと詰め、トマトソースで煮込んだ一品なのだが、私は油で揚げずに蒸した茄子を使うので、ヘルシーに仕上がる。
 
さらにここに、水切りヨーグルトを添えて合わせるのが私流だ。あいにく写真は撮りそびれてしまったのだが、この組み合わせがとにかく素晴らしい。 トマトソースの温かい茄子に、濃厚なヨーグルトの酸味が加わることで、コクがあるのに後味は驚くほどさっぱりとした味へと変化する。
 
これに合わせるのは、もちろん「Pilav(ピラフ)」。私はバターとオイルを使って炊き上げる。バターの豊かな香りとコクがお米一粒一粒に染み込んだピラフは、メイン料理の美味しさを一層引き立ててくれる。蒸すことで茄子本来の甘みが引き立ったカルニヤルクを、ピラフに絡めながら食べる。この組み合わせこそが、最高の贅沢だ。  
 
 
最後を締めくくるデザートは、「Meyveli irmik tatlısı(フルーツを乗せたセモリナ粉のデザート)」。セモリナ粉をミルクで優しく煮詰めた、まろやかな冷たいデザートだ。生地にはレモンの皮をすりおろして加え、爽やかな風味をプラスした。セモリナ粉特有のぷちぷちとした独特の食感に、レモンの香りと季節のフルーツの甘酸っぱさが重なる。夏らしい味わいに仕上がった。
 今回はゲスト全員が食に深い関心を持つメンバーだったこともあり、テーブルの上は終始、世界各国の珍しい食材や料理の話題で持ちきりとなった。それぞれの視点から語られる食文化の話はどれも刺激的で、時間が経つのも忘れるほど楽しい集まりとなった。
食を通じて、輪が広がるのは本当に素晴らしいことだと思う。美味しい料理を囲むだけで、初対面の壁などあっという間に消え去り、豊かな時間が紡がれていく。この温かなご縁を大切にしながら、また次の「トルコ料理の夕べ」を企画したいと思う。
Afiyet olsun!