寒い冬や風邪にはカイナル |
寒い日が続くと、巷では咳やくしゃみをしている人をよく見かけるようになりました。
そんな時、思い出すのが、地中海にあるメルシンという街出身の友人や、そのご家族が寒くなると作ってくれた、スパイスを煎じたカイナルという名前の飲み物です。
飲むと、混ざり合ったいろんなスパイスが、ピリっと喉元を刺激し、その後は、体がポカポカと温まってきます。
ボザ(詳しくは、こちらをご覧下さいhttps://torukomeshi.blogspot.com/2017/04/blog-post_6.html)がイスタンブルの冬の風物詩であるなら、カイナルはメルシンやアダナ、アンタキヤ地方に冬到来を告げる飲み物でしょう。
カイナルのことをFBで書いたら、アナトリア中部に住んでいるトルコ人の知人から「作り方を教えて」と連絡がきたので、驚きました。他の地方では、あまり飲まれていないのかも知れません。
カイナルに使うスパイス |
丁字 |
ドライ生姜 |
ホールのオールスパイス |
ターメリック |
シナモンスティック |
リョウキョウ |
ナツメグ |
あるレシピを見ると、水5リットルにスパイスを入れ、そこに2キロの砂糖を加えると書いてありました。甘過ぎではありませんか? それに、うちには5リットルの水を入れられるヤカンもありません。そのため、自宅にあるヤカンに適当にスパイスを「お茶・だし兼用パック」に入れて煮立てます。
私は、煎じる時に砂糖はいれず、飲むときに少し、ハチミツを加えます。
もちろん、砕いたクルミは、たっぷりと振りかけます。シナモンパウダーや、砕いたピーナツをかけると言う人もいるようです。
ここからは余談です。
カイナルは、出産後40日間、お祝いに来た人にふるまわれるロフサ・シャーベティ(一般的にLohusa şarbetiと書かれますが、辞書ではLoğusa şarbetiと記載されています)としても、飲まれているところがあるそうですが、私が見たロフサ・シャーベティは、バラ色をした飲み物で、カイナルとは違っていました。(下の写真 https://www.pinterest.jp/pin/50876670767307284/)
ロフサ・シャーベティ |
このロフサ・シャーベティは、実は、オスマン帝国時代にもあった飲み物で、昔は、胃腸の働きや免疫力を高めるために飲まれていたそうです。また、はしかや肺炎によく効くとも言われていました。たくさんのスパイスを煎じているからだと思います。
オスマン帝国時代も、現在も「ロフサ・シャーベティ」と、名前は同じですが、はてさて、この二つの中身も、同じものなのでしょうか…。
そして、カイナルとの関係は?
一つのことから、調べたいことが次々に現れてきます。