2019年9月26日木曜日

日本でも飲みたいケフィル 〜ヨーグルトドリンクのような発酵乳〜

 みなさま、長らくご無沙汰しております。久しぶりのブログになります。
実は、昨年より食文化に関する本を書いており、やっと来月出版される運びになりました。出版された折には、またご報告いたします。

 さて、今年もトルコに来ております。今回も、少しずつですが、トルコからの食レポートをお送りしたいと思います。

 第一回目は、日本では未発売の発酵食品ケフィルです。

 私は、トルコに着いたらまず、マーケットでケフィルという飲み物を数本買います。ケフィルは、聞き慣れない名前かもしれませんが、日本では、ケフィアと呼ばれているようで、ジョージアやアゼルバイジャンなどの、コーカサス地方の発酵乳です。
私はいつも果物も入っていないプレインを飲みます。
  一見すると、牛乳のように見えます。けれど、牛乳でも、ヨーグルトドリンクでもありません。

 ケフィルもヨーグルとも発酵乳なのですが、weblio辞書によると「日本では発酵乳は、ヨーグルトと呼ばれこれは乳酸菌だけで発酵しますが、ケフィアは乳酸菌と酵母で牛乳を発酵させます」と書いています。ヨーグルトの種類のように思われがちですが、この二つは別物です。

 「ヨーグルトきのこ(kefir grain)」と呼ばれている、カッテーチジーズのようなツブツブの固まりを牛乳に入れて作られます。この「ヨーグルトきのこ」という名前から、日本では、ヨーグルトの種類だと思われているのでは、ないでしょうか。
 しかし、さきほども書きましたが、この二つは、発酵乳というカテゴリーの中に、ヨーグルトとケフィアという別の名前で分類されています。
 
 写真に写っているボトルの下に「PROBİYOTİK(プロバイオティクス)」と書いてあるのが読めます。腸内細菌学会によると、プロバイオティクスはアンチバイオティクス(抗生物質)に対して提案された用語であり「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義されています。
 そのためでしょうか、ボトルには腸の絵が描いてあり「プロバイオティックは消化を助け、腸の働きを整える」と記載されています。

 説明が長くなりましたが、味はどうかというと、甘くないヨーグルトドリンクのようです。さらっとしていて、飲みやすいですが、甘いヨーグルトドリンクになれた日本では、果物入りがいいかもしれません。トルコでも、プレインの他に果物入りが売られています。

 ケフィアは発酵食品のため免疫力が高くなるとか、血圧にいいとか色々言われています。私もトルコに着くと、長旅の疲れや環境変化のため、お腹の調子を整えるのに飲んでいます。体にいいと聞くと何でも飛びつく日本です。それなのに何故現在、多様なメーカーが競い合って、あれほどいろんな菌を使ったヨーグルトをそれぞれが売り物にしている日本で、ケフィアがないのでしょうか。

 不思議に思い調べたところ、ケフィアは発酵しているので、蓋を開けたときの爆発を防ぐため、市場に出すには、容器が問題だとか…。そういえば、グラスに注ぐとブクブクと泡立っていました。でも、トルコでは、瓶かペットボトルに入っていて、何の問題もなく、普通に売られています。開けたときに、爆発なんてしません。

 もし、日本で売られない理由が、発酵することにより爆発防止のための適当な容器がないのであれば、どうしてトルコでは、普通の容器に入って売られているのでしょう…。もしかして、トルコで飲んでいるケフィルは、本当にケフィルなの?謎は深まるばかりです。

  でも、おいしいのでサプリではなく、日本でも飲み物として市場に出回る日が来るのを切に願ってやみません。