トルコ語で朝ご飯はkahvaltı(カフヴァルト)と言います。 日土辞書をひくと朝食という意味に加えて「軽い食事」という意味も載っています。そのためトルコ語では「今日の晩ご飯は、朝ご飯にしよう」というような奇妙な言い方になることがあります。この場合、晩ご飯は、朝ご飯で食べるようなチーズ、オリーブ、トマトやキュウリなどの簡単なもので済まそうという意味です。
一方、トルコ語の辞書には「一般的に朝にとる軽い食事」とも記載されています。Kahvaltıは、kahve(コーヒー)+alt(下、底)からできた言葉です。朝、コーヒー(もちろんトルココーヒーです)を飲む前に、何か先に軽く食べて胃に入れておく(コーヒーが入る下に)という意味なのです。しかし、コンスタンチノープルを陥落させたメフメット2世の朝の食事は、糖質たっぷりのかなり重めのものでした。当時はまだコーヒーが宮殿に入ってきていなかったからでしょうか。(Stefanos Yerasimos 'Sultan Sofraları〜15. ve 16. Yüzyılda Osman Saray Mutfağı')
話を元に戻しましょう。日頃の慌ただしい軽めの朝食とは別に、週末になると外に出て景色のいい場所で、ゆっくりと優雅にブランチをすることがあります。ボスポラス海峡に面したバルコン(バルコニー)でとる朝食は、この上なく贅沢な時間です。イスタンブルに来てよかったと思える瞬間です。
前置きが長くなりましたが、今回のブログでは贅沢なブランチのひとときをご紹介したいと思います。
先ずは、ボスポラス海峡沿いにあるカフェでのビュッフェスタイルのブランチです。
夏の定番フルーツ、スイカとメロンも並んでいます |
両端にはボレキ、中央はポテト |
シリアル |
左のものは、いろんな呼び方があるようですが、私はピシ(pişi)と教えてもらいました。生地を油で揚げた弾力のあるかなり噛み応えのある揚げパンです。小学校の給食で出た揚げてきな粉をまぶしたパンは嫌いでしたが、これは美味しいと思います。
2段に並んでいる様々なチーズ |
形も味も多種多様であまりに種類が多く、初めてだと、どれを選んで食べていいのか分からないと思います。全種類食べてみて、お気に入りを見つけていただきたいのですが、塩気が強いので一度には無理だと思います。
ミニパンケーキとクッキー。パンケーキには、チョコレートソースやジャムがありましたが、メープルシロップはみあたりませんでした。クッキーには、甘いのと塩気のものがあります。
パンの種類も豊富です |
白と黒の器に入っているのはカイマックというクリーム |
バターと蜂蜜 |
こうしてお腹が一杯になっても、その後はまだお茶を飲んでゆっくりとしています。
ビュッフェブランチは何度もおかわりに立ってしまいます |
先ず、朝ご飯に食べるものを調達します。
これは、ボレキ屋さんで並んでいる列です。前回のブログにもボレキの写真がありましたが、ここのボレキは、コルボレーイ(kol böreği)と言います。春巻きの皮のようなユフカという薄い生地を何枚にも重ねて中にチーズ、ミンチ、ほうれん草などそれぞれを入れロール状にして焼きます。卵掖をかけて焼くボレキと違い、このコルボレーイには溶かしバターやオリーブオイルをかけて焼きます。
量り売りのコルボレーイです。好きな具のものを買います。買った物を持って、その先のカフェに行きます。
「飲み物の持ち込み禁止」と書かれています。飲み物以外は、私たちのように食べ物持参で大丈夫です。家から朝ご飯を作って持って来ている人や、私たちのように何かを買い、持って行く人もいます。もちろんここでも朝ご飯を注文して食べることもできますが、殆どの人が飲み物だけを注文していました。
私たちは、ポテト、ミンチ、ほうれん草入りのコルボレーイを買いました。初めてみた、クルミ入りのボレキも追加しましたが、これが大正解でした。クルミなので甘いのかと思いましたが塩味で美味しかったです。
どうして日本では、ゆっくりとブランチをする習慣が根付かないのかと、残念に思います。週末には、計画を立ててどこかに遊びにいかなければならないと思うより、景色のいいところでまったりとした時間を過ごすのは、至極の幸せだと思いますが…。