2020年12月18日金曜日

ほうれん草の根が美味しいトルコのスープに〜ほうれん草の根っこは捨てないで!〜

         寒くなりましたが、冬野菜が美味しい季節の到来です。

ほうれん草の根と緑レンズ豆のスープ
 

 みなさんは、ほうれん草の料理をする時に、根はどうしていますか? 実は私は、捨てていました…ところが、最近、ピンク色をして丈夫そうな根がついたほうれん草を手に取った時、ふと祖母のことを思い出しました。祖母は、ほうれん草のおひたしを作るときに「根は栄養があるから、捨てないで食べるのよ」と根がついたまま食卓に出していました。少し甘くて、コリコリした食感でした。でも、ちょっと土臭かったので、子供の頃はあまり好きではありませんでした。

 祖母の思い出とともに、もう一つある光景が思い浮かびました。トルコのスーパーで、よく見かけていたほうれん草の根だけが入って売られている大きい袋を。そういえば、ほうれん草の根のスープや料理が美味しいと、以前トルコで聞いたことがありましたが、不思議なものが売られているなぁ、ぐらいにしか思いませんでした。

 でも今回、手にしたほうれん草の根が、あまりにも立派だったので、いろんなことを思い出したこともあり、捨てるのがもったいなくなり、料理をすることにしました。一品料理にするほどたくさんの根がなかったので、スープにしました。

 トルコ料理には、トマトのサルチャ(ペースト)が、欠かせません。炒めた玉ねぎに、サルチャを加え、人参と縦半分に切ったほうれん草の根を入れてスープにしました。

 夫は、初めて食べたらしく、その食感のよさが気に入ったようでした。

 それからは、根がついたほうれん草を見るたびに、買ってはスープにしています。

 上の写真のスープには、緑レンズ豆と人参も入っています。ほっこりした、優しい味のスープです。緑レンズ豆は、水かぬるま湯に数時間浸けたものを、茹でるとすぐにもどりますので、炒めてからお好みの柔らかさになるまで炊いてください。時間はそんなにかかりません。

 ほうれん草の根を使うようになってから、どんなトルコ料理があるのか気になり調べてみたら、前菜、サラダ、スープ、そして一品料理と、その種類はたくさんありました。

 書いてあった説明を読むと、どうやら昔から肉類と一緒に(特に骨付き羊肉)煮込まれる料理や、お米と人参と一緒にオリーブオイルで炒め煮にし、冷たくいただく料理としても食卓に上っていたようです。

 子羊の肉と調理する場合は、ドライプルーンやアプリコットを味付けに使うと美味しくなるそうです。味付けがオスマン宮廷料理みたいです。

 エーゲ海地方では、オリーブオイル炒めの別バージョンとして、お米は少なめで、たくさんのトマトとニンニクを入れて炒め炊きしている料理もあるようです。

 ポイントは、根はよく洗ったと思ってもまだ砂が出てくることがあるので、酢をたっぷり入れた冷水で何度も繰り返し洗うことだそうです。(ekşi sözlük) 

 日本でも「ほうれん草の根には、抗酸化作用のあるポリフェノールや、骨の形成に必要なマンガンが含まれているので、捨てないで食べましょう」(日本educe食育総合研究所)と、言われているみたいなので、みなさんも捨てずに、一度料理してみてください。

 きっと、新しい発見があると思います。

   Afiyet olsun≒召し上がれ