今年の9月にトルコへ行った際、トプカプ宮殿博物館学芸員の友人Ö さんと久しぶりに会うことができ、滞在最後の日は、とても素敵なサプライズになった。
| イェシルキョイ灯台の下にあるFenerレストラン |
Öさんの旧来の友人であるSさんが、お勧めのイスタンブルyeşilköy(イェシルキョイ)にある灯台下の素敵なシーフードレストランに連れて行ってくれた。レストランは海岸のすぐそばにあるので、ぜひ夏のお昼にも、もう一度尋ねてみたい。きっと景色が素晴らしいと思う。
上の写真に写っている灯台は、 旧称をアヤステファノス灯台と言い、マルマラ海からボスポラス海峡に入る船舶に道案内をし、イスタンブルの海上交通の安全を確保するため、スルタンアブドゥルメジドの要請により、イェシルキョイ岬に1856年にフランスの技術者によって石造りの塔として建設された。現在はイェシルキョイ灯台と呼ばれている。
レストランの中には、灯台博物館があるので、展示物を見ても楽しめる。せっかくなのでテーブルにつく前に見学させてもらった。
他にも特別な会議やファミリーの慶次ごとにも使える個別対応のサロンがある。自前の釜があり、魚料理には欠かせないコーンブレッドが焼き立てて提供される。このレストランのコンセプトは自家製のオーガニック野菜を提供すること。レストランの敷地内にある畑で野菜、そして、葡萄や無花果などの果物も栽培されている。オリーブやオリーブオイルにおいては、エーゲ海にあるジュンダ島の自社栽培のオリーブだそう。香りがよく、とても美味しいオリーブオイルだった。コーンブレッドにつけていただいたが、メインディッシュの前に、食べすぎてしまった。
料理は、このレストランをよく知っているSさんのお勧め料理をいただくことにした。まずはスズキのクリームスープ。レモンを絞ると、クリーミーな中に酸味が効いてとても美味しかった。シーフードサラダとアンコウのソテー。アンコウはトルコ語でFener balığı(フェネル バルー)。訳すと「灯台魚」になる。運んできてくれたスタッフは、Çirkin balık(ブサイクな魚)だけれど、とても美味しいと言い、サーヴしてくれた。Sさんは、Fenerレストランに来たから、Fener balığıを選んだ訳ではないだろうが…。
トルコではある種の魚を選ぶと、お好みの料理法で調理してくれる。アンコウはソテーにするのが、Sさんのお勧めだった。肉料理もそうだけれど、ソテーは写真のように浅い中華鍋のようなもので、多分そうだと思うが、調理してそのまま出てくる。かなりの油があり、油(脂)ものを気にしているÖさんには、Sさんがアンコウ自身の油だから大丈夫だと話していた。油はあん肝からかと思ったけれど、トルコであん肝を使うなんて、ちょっと考えられない。一見油っぽかったけれど、しつこさは感じられず美味しくいただいた。
かなりの量でお腹がいっぱいになった。しかし、これで終わりではなかった。
2枚に合わさったイワシの網焼きが出てきた。これがフワフワで口当たりがよく、お腹がいっぱいだと言っておきながら、ペロリと食べてしまった。網焼きの魚には、必ずルッコラーと生の玉ねぎがついてくるのもトルコ式。ルッコラーの苦味と玉ねぎのピリッとした刺激が魚の油によく合う。

