2018年1月15日月曜日

お米の多彩な食べられ方〜スープからデザートまで

初春のお喜びを申し上げます。
2018年が皆様にとって実り多い年になりますようお祈りいたします。
今年も、少しずつでもブログの更新をしていきたいです。
どうぞ宜しくお願いいたします。

今年のお正月に、昔祝っていた母方祖父母の家でのお正月のことが、思い浮かびました。
床の間に置かれていた三方の鏡餅の下には、生米が敷かれ、干し柿と昆布なども乗っていました。お屠蘇を頂くまえに、先ず2,3粒のお米をとり、干し柿を少しむしり、それを薄いお昆布で巻き、口に入れて噛んだ時の味と、生米の食感を思い出しました。

そこから、ふと今年最初のテーマは「お米」にしようと思いました。

『Sultan Sofraları』 という本(Stefanos Yerasimos 'Sultan Sofraları〜15. ve 16. Yüzyılda Osman Saray Mutfağı')には、ビザンツ時代の三大栄養は「パン・ワイン・オリーブオイル」であったのに対して、オスマン時代には、「米・砂糖・脂」だったと記載されています。(脂には、羊のしっぽの脂や、多くはバターを使い、オリーブオイルはランプの油として使われていました)

スーパーでは、たくさんの種類のお米が売られています
トルコのお米は、タイ米のような長粒米ではなく、日本と同じ形をしています。でも、日本のお米ほど、粘りはありません。スーパーには、砕けたお米など、いろんな大きさのお米が売られています。そして、粒の大きさで値段が違います。もちろん値段が高いのは、大きな粒のものです。

トルコでドルマを作る時に使うお米
このお米がトルコでは、いろんな料理に使われます。日本でもおなじみのお粥は、オスマン時代のスルタンの朝ご飯にも、よく登場していました。そして、ピラフ、ドルマ、野菜料理、最後はデザートにまでと、実に多様な料理の材料になります。

お粥について、独り暮らしでトルコに住んでいた時に、こんなことがありました。
風邪をひき具合が悪く、珍しく食欲がなかったのですが、白粥を炊き、おかずには、冷凍庫にあった白身の魚を煮魚にしました。

そこに、同じアパートで親しくしているご近所さんが、私の様子を見にやってきてくれました。ドアを開けたとたん、魚の匂い(臭い?)がしたのでしょう。顔をしかめ、「え〜?! 魚?! 病気の時に、魚なんか食べちゃダメダメ!今、私が持って来てあげるから」と、言い、帰ってしまいました。そして、すぐに「これを食べなさい」と、ヨーグルトのお粥を作って、持ってきてくれました。

別のトルコ人の友人は、このヨーグルト粥が大好きで、子供の頃には食べたくなると、病気の振りをしていたと、以前話していました。ヨーグルトスープにもお米が入っているように、トルコではお米とヨーグルトの組み合わせは、いたって普通です。病気で胃腸が弱っているときには、消化がよく栄養価の高いヨーグルト粥が食べられているのでしょう。

でも、せっかく親切に持って来てくれたのですが、私は、このヨーグルト粥が好きではありません。ご近所さんの気持ちは、有り難いとは思ったのですが、少ししか口をつけられませんでした。

その時、それぞれの国には、それぞれの食文化があり、小さい頃から慣れ親しんだ味があることを、強く感じました。そして、相手の国の文化や習慣と、自分たちのものが違っていたとしても、拒否するのではなく、自分たちとは違うものもあるのだと、受け入れることも大切だと、改めてしみじみと思ったのでした。

では、今回はこのへんで。